JR那加駅からまっすぐ伸びる本町通りを少し歩くと、喫茶店「ベルハウス」の跡地があります。
1979年7月からの約40年間にわたって営業していたこの喫茶店には常連さんも多く、美味しいカツ丼が大人気だったそう。地域の方々にも愛されていましたが、2019年12月に惜しまれながらも閉店。
そんなベルハウス跡地を地域を盛り上げる新たな拠点に生まれ変わらせようとしているのが、ご縁どりの店主・木村裕一さんと、つばさ商店の戸髙翼さん、アトリエFUDOの津川祐輔さんです。
2019年某日、那加駅周辺で店舗を探していた木村さんは、ベルハウスが閉店するといううわさを聞きつけ、土地と建物を購入したい!とオーナーさんに会いに行きました。
2階建てのベルハウス跡地を購入した木村さんは、お店を始めたい地元の若者に1階を貸し出し、現在はどて焼き酒場 奏(かなで)が営業中。
過去に岐阜大学の学生寮として使用されていた2階部分の活用方法を一緒に考えてほしいと、知人でもあるつばさ商店の戸髙さんに依頼しました。
2人が知り合ったのは、戸髙さんがかかみがはら暮らし委員会として木村さんに「○○マルシェ(テーマ:夏夜)」への出店を依頼したのがきっかけ。それを機に、“面白いこと” や “まちづくり” が好きだという共通点が見つかり、「今後も何かいろいろとできそうだと思った」と戸髙さん。
ベルハウスの今後について話し合いを重ねていく中で、お2人は商店街の活性化にも目を向けました。
このエリア全体を盛り上げたい!という気持ちを持った仲間とも話をするうちに、自分たちのような考えを持って活動している人同士がつながれる拠点のような場所にしていきたいという方向性が見えてきました。また、ベルハウスの立地は各務原市が「まちづくり施策」として行っている、都心ルネサンス地区(学びの森周辺)の開発の勢いを、那加商店街につなげていくための良いポイントになると考えました。
木村さんご自身が飲食店を経営していることもあり、新たに飲食店を始める人の手助けができる環境を作ることで、一緒に商店街を盛り上げていける仲間を増やす場にしたいそう。
「同じエリアに飲食店が増えることでお客さんの取り合いになると考える人もいるが、自分はエリアを盛り上げることで他のお客さんの流入を増やし、地域をもっと盛り上げたい。」と、“エリア内での個” ではなく、“広い範囲の中での自身のエリア” という視点で全体を見ている木村さん。
現在は各務原で建築士として活躍している津川さんもプロジェクトに加わり、暮らし委員会のメンバーの手も借りながら2階部分のDIYを進めています。簡単なキッチンやスタジオを備えた、人が集まることのできるオープンな空間を目指しています。
「自分自身にとっても面白くなることがベースだが、皆が “こうなれば良いな” と思うものをやっていきたい」と木村さん。地域の方々とこの場所をどうつなげるのかを考える上でも、土地の歴史を知ることの大切さを感じたそう。
戸髙さんは、まちづくりを「自分ごと」として捉え、生業(飲食業)で関わろうとしている木村さんの姿勢が好きだといいます。
「ストーリーに共感した時に心惹かれるものがある」というご自身の考えから、木村さんのストーリーを生かした場所にしていきたいそう。
今後はいろいろな人に関わってもらえる余白を作り、場を作る過程から一緒に楽しむことで、この場所に愛着を持ってくれる人を増やしていきたいと考えています。
インタビューの最後には、「楽しいことをやり続けていきたい基本姿勢は今後も変わりません。死ぬ時は、すっげえ楽しかった!と笑顔で死にたい。これからも面白いことにどんどん顔を出して、点と点をつないでいきたいです。」と木村さん。
木村さんの真っ直ぐな想いと、優しい人柄が感じられたインタビューでした。
ベルハウス2Fは、2021年6月 各務原市那加本町商店街でスタート予定のパブリックスペースです。現在、たくさんの人が関わりながら、DIYにてスペース製作中!
商店街でこれからはじまる新たな拠点を、一緒につくり、支える仲間を募集中です!
興味のある方は、下記InstagramのDM、または暮らし委員会のLINEまで。
写真:かかみがはら暮らし委員会 高田沙織
文 :かかみがはら暮らし委員会 小澤ことは
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