【開催レポート】各務原自然体験塾特別講座「解体とジビエに学ぶ。」

­2020年2月15日(土)、各務野自然遺産の森にて各務原自然体験塾特別講座「解体とジビエに学ぶ。」が開催されました!

講師安田さんが持ってきてくださった動物の毛皮や骨
講師の安田さんが持ってきてくださった動物の毛皮や骨

この講座は各務原市とかかみがはら暮らし委員会が一緒に企画運営をしているイベントで、今年で4回目。すっかり人気企画となり、今年も30名の申し込みがあり、満員御礼となりました。(ご参加いただいたみなさま、ありがとうございます!)

小・中学生から大人まで、幅広い年代の方々にご参加いただき、中には4年連続の参加という方も!

講師の飯尾裕光さん(写真左)と安田佳弘さん(写真右)

講師の飯尾裕光さん、安田佳弘さんの自己紹介から講座がスタート。そして、早速、鶏の解体ワークショップへとうつります。

鶏の解体ワークショップ

-講師|飯尾裕光さん イニュニックビレッジ 主宰

鶏を持つ飯尾さん
箱から取り出したのは、オスとメスの鶏1羽ずつ。

飯尾さんは愛知県津島市で体験ファーム「イニュニックビレッジ」の運営を通してオーガニックな農の暮らしを提案されています。

ワークショップの冒頭、飯尾さんから、今回のワークショップは「生きもの」が「食べもの」になる過程を学ぶことが目的であることが参加者に伝えられました。

「親御さんはお子さんに、かわいそうだとか、感謝しようだとか、そういった言葉はかけないでくださいね。子どもが感じたままに表現することが大切です。」

恐る恐る鶏を抱える。鶏は意外にもおとなしい。

少しの緊張感が漂うなか、まずは一人一人鶏を抱いて、その体温から鶏が「生きている」ことを身体で感じます。

飯尾さんから鶏の身体について説明を受けながら、参加者も一緒に「絞める」という行為を体験。

こうして、生きた命が終わる瞬間を目の当たりにする機会はなかなかありません。

絞めたあとは、参加者が自分たちの手で、羽をむしっていきます。生々しいシーンですが、わたしたちがおいしく鶏肉を食べることができるのも、日々誰かがこの作業をしているから。

冷静に考えれば当たり前のことですが、それだけのことを知るのと知らないのとでは、価値観ががらっと変わってきます。

手際よく鶏を解体する飯尾さん。
手際よく鶏を解体する飯尾さん。

こうして徐々に「食べもの」へと姿を変えていく2羽の鶏。

もも肉、むね肉、砂肝、ぼんじり…見覚えのある「食肉」になっていきます。

さあ、きれいに解体が終わった後は料理長、飯尾さんの腕にお任せして、続いてはシカの解体へ。

シカの解体ワークショップ

-講師|安田佳弘 猟師/アウトドアクリエイター

講師の安田さんは普段、猟師・アウトドアクリエイターとして、三重県いなべ市でジビエの雑貨と喫茶MY HOUSEを運営しながら、大学の講師を務めています。

今回はご自身がわな猟で獲ったシカを一頭持ってきてくださいました。

シカはとってもスマートで筋肉質な動物。

この日解体したシカは体重20kg程度ですが、食べられるのはわずか3割程度だそうです…!

安田さんはジビエ肉をご自身のカフェで提供するほか、料亭にも出荷されています。

出荷までには<皮剥→脱骨(だっこく)→筋取り→整形→真空パック詰め>という一連の流れがあり、今回ワークショップで見せていただいたのはほんの一部の過程なのです。

いざ、実食!

解体ワークショップのあとは、お待ちかねの鶏とジビエ料理をいただきます。

実食用のシカ肉はワークショップで捌いたものではなく、保健所の認可を受けた解体処理施設で食肉加工した精肉を持ってきていただきました!

鶏肉は野菜と一緒にいろりで煮込んで煮物に。

鶏ガラはだしをとって、あたたかいうどんに。

シカ肉は炭火焼きに。

さっきまで生きていた鶏が料理になっているというのは、とても不思議な感覚。みなさんそれぞれに色々なことを考えながら、味わったのではないでしょうか。

さて、お腹いっぱいになった後も続く「解体とジビエに学ぶ」の講座。

最後は飯尾さんと安田さんによるクロストークの時間です。

農家と猟師のトークショー

午後は、毎年恒例となった飯尾さんと安田さんによるトークショー。

今年は、昨年お二人が訪れたアラスカでの動画上映からスタートしました。

手付かずの自然の中で過ごした時間が忘れられず、今後も6月と9月に定期的にアラスカツアーを企画するそうです。

農家と猟師として、普段から自給自足に近い生活を送っている飯尾さんと安田さんさえ、圧倒されるアラスカの大自然。

そこを訪れた人しか体感できない圧倒的なものがあることでしょう。

みんながみんな猟師になったり、オーガニックな生活をするべきだということではなく、今日体験したことや、学んだことをぜひ日常生活のうえでの判断基準にしてもらえたら嬉しいという飯尾さんと安田さん。

響いたポイントはそれぞれに違っても、この日の講座は参加者の価値観に少なからず影響したのではないかと思います。

集合写真
最後はみんなで記念写真! いい笑顔ー!

五感をフル稼働させ、それぞれが身体で感じ、頭で考えた5時間にわたる特別講座は今年も大盛況のうちに幕を閉じました。

来年もまたきっと、この場所でお会いしましょう!

(文・写真/かかみがはら暮らし委員会 杉田映理子)

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